解説
過去の作品集にある300Bシングルアンプの、製作当時(2003年)の部品価格を含めた価格表です。
実際に使用したパーツというより、これを参考に作る場合のために、当時の入手しやすいパーツをまとめました。
アンプの製作に興味のない方には、意味のないページと受け止められるかもしれませんが、製作の難易度や、コストを見るのに、部品表は大変参考になると思います。
回路や構成を構想して、吟味して、実際に製作して試聴してという手間や情熱の結晶で、簡単に書ける表ではありません。
というわけで、参考にして下さい。
※当然のことながら、今では入手できないものもありますが、そこはご容赦を。代替品を探すのも楽しいものかと思います。
部品表
パーツ名 | メーカー 名 |
製品名 | 単価 | 数量 | 合計 | 入手先 | |
1 | シャーシパー ツ |
サムエレ クトロニク ス |
300B-MO2- C |
21,000 | 1 | 21,000 | サムエレクトロニ クス |
2 | 出力トランス | ノグチトラ ンス |
PMF-10WS | 6,800 | 2 | 13,600 | ノグチトランス |
3 | 出力管 | 300B | 300B/EH | 19,000 | 2 | 19,000 | クラシックコンポ ーネンツ |
4 | 初段管 | 6SL7GT | silvana | 1,500 | 2 | 3,000 | クラシックコンポ ーネンツ |
5 | 電源トランス | ノグチトラ ンス |
PMC-264M | 11,600 | 1 | 11,600 | ノグチトランス |
6 | 整流管 | 5AR4 | ソブテック | 1,300 | 1 | 1,300 | クラシックコンポ ーネンツ |
7 | ブロックコン | ソレン | 47uF/630V | 2,500 | 2 | 5,000 | エイフル |
8 | チョークコイ ル |
ノグチトラ ンス |
PMC-5H | 7,500 | 1 | 7,500 | ノグチトランス |
9 | ハムバランサ ー |
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10 | バイパスコン | チューブ ラコン |
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11 | バイパスコン | チューブ ラコン |
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12 | バイパスコン | チューブ ラコン |
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13 | |||||||
14 | |||||||
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20 | |||||||
合計 | 82,000 | ||||||
税込 合計 |
86,100 |
2020.3追記
今改めてこの表を見ると、300Bシングルアンプを何とか10万円以内で納めようという、苦労がしのばれます。実際にはこのアンプは、ロフチンホワイトから一般的なCR結合(ロフチンが直結なのに対して、カップリングコンデンサーで前段と出力段を繋げる回路)を経て、2A3のロフチンホワイトアンプになって今日に至っています。
それぞれ、音が聴きたければ、新作にすればよいのでしょうが、その場合は、一から部品を集め、安く上げても10万円くらいはかかります。そこで、すでに作ったアンプを改造して行った訳です。反省として、下手な改造を繰り返すと、半田跡が繰り返し残って、音質的に良くないと考えています。ある程度の改造する場合は、思い切ってラグ盤から交換することを推奨します。同様に真空管ソケットなども。
さらに安くあげるには
(2020.5追記)曲がりなりにも、直熱三極管シングルアンプで300Bや2A3クラスだと、コストを下げることに意味はあるのか?と思ってしまいますが、「試しに」とか「手始めに」などなど、有り得ないことはないと思うので、思考実験してみました。
新品を追求すると限度があり、最近では完成品の中国製が信じられない価格でなかなかの性能で販売されていますので、敵いません。中古(部品)含め検討することにご容赦ください。
メインはヤフオクだと思います。このカテゴリーだと、メルカリはどうなんでしょうか?念のため並行して調べる(裏を取るみたいな)作業をするかどうかは、皆さんのご判断で良いかと思います。状況も変化しますので。
メインパーツの、出力トランスですが、ヤフオクの落札相場を見るとあまり流通していないようで、新品ペア15,000円、中古1個で6,500円と微妙な価格。ノグチトランスは、ゼネラルトランスに2018年10月より事業が引き継がれました(リンク集参照)が、そちらのサイトを見ると、定価: 10,690円(税込):価格: 8,340円(税込) <21%OFF>とまた微妙な価格です。
後々も長く使用できるような、タンゴのU-808(お気に入りです)だと、中古で3万円割るのはなかなかない(中長期で見張る必要アリ)といった感じです。
軽々にコストダウンは図れませんね。
真空管は、中国製の中古の安いものとなると、表よりも安く入手できそうです。しかし、これは危険です。以前の中国管300Bは、フィラメント断線が多く報告されています。中古なら、ロシア管の程度の良いもの以上が望まれます。そうなると、ここもコストダウンは容易ではない。
次に、シャーシ。これは、自分で穴あけ加工などすれば、劇的にコストダウンできます。仕上がり感は、作る方の熱意と器用さ次第となりますが、腕に覚えがあれば、アルミパネルと木の枠で何とかなります。過去の作品集の「8012A宍戸式送信管アンプ」は、その方法を取っています。後の電気を通す部品類は、安全性の問題含めて、安かろう悪かろうのパーツは全くお勧めできません。使っても、実験のバラックとかではないでしょうか。
いろいろ考えると、この部品表も、それなりに吟味した後を感じます。
機会があれば、逆に、「高くても最高パーツなら?」という思考実験もしてみたいですね。
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