12BH7SRPPプリ変形版回路図

12BH7SRPPプリ変形版回路図

12BH7SRPPプリ変形版回路図

※変形版というタイトルですが、進化版ですね。

追試用にアレンジ

この回路図は、原型版の回路図がヒーターバイアス(これ重要です、必ずかけて下さい)かける前のものであったり、特殊な電源トランスを使用したものでしたので、追試がしやすいようにアレンジしたものです。

ちなみに特殊な(有名市販品のカタログ製品ではないという意味です)電源トランスを使用した理由は、以前にジャンク屋さんで中古のトランスを衝動買いして、手持ちしていたからです。自作マニアにはこのパターン多いですね。それで、追試するときに、そこまで真似しようとして、部品が見つからず右往左往というのも初心者のあるあるパターンかと。

 

追試のご相談をいただきました

このサイトを見ていただいた方から追試のご相談を受けました。(ありがたやー!)

お話を聞くと、百十番と同じく文科系の方で乾電池と豆電球で電気を覚えた後遺症で、なかなか電子回路がなじめないとのこと。自作を始めた頃の百十番と同じです。

エレキット(失敗だったとか)と超3アンプ(こちらは成功)を経て、百十番式プリアンプ(ラインプリ)に挑戦とか。
ちなみに、このアンプの原回路は「フルヤさんの回路>>」です。

おまけに成功したらそのノウハウをサイトにアップして貰えるかも知れません。(結局挫折され未遂に=後年追記)まだどうなるかはわかりませんが、「自作なんて無理」と諦めがちな電気音痴の文科系人特有の悩みを持つ人に参考になるコメントを頂きましたので、ご本人の許可を得て紹介します。

 

ユイさんのコメント

超3アンプは、有名な山田さんの2万円アンプの丸ごとコピーでした。

FETの脚の位置の説明がないとか、半固定VRのつけ方がよくわからないとか、調整するときのテスターをあてる場所がわからないとか、初心者がつまずく点はいくつか残っていますが、それでも作ってみようという気にさせるコンテンツでしたし、実際に私でもつくりあげられました。

疑問点は、手作り真空管アンプの会の質問コーナーにキーワードを入れて、根気よく根気よく類例にあたることでなんとかなりました。

結局、大勢の好意に支えられているコンテンツなんだなと思いました。
(2万円アンプの音は少々厳しいです。硬質というか、もっとしっとり感が欲しいです)

私がプリアンプをつくろうと思い立った経緯は百十番さんに近く、ところがパワーアンプやスピーカーなどに比べ、力に見合ったサイトがほとんどないというのが現状かと思います。

自作しようかと考えるも、できそうな情報がない、自作の書籍を見ても1ページ目にロードラインを図示していて何のことかさっぱりわからない、またプリアンプの作例は少なく、ほとんどがフォノイコライザ機能が付いている、あるいは高価な部品を使っており、価格面で市販品との差を感じられない等等。

製作自体に興味を持てる方は、より良いものを求めてるでしょうが、私のような、自作しなくて済むならつくらないでいたい、その時間をより多く鑑賞にあてたい、というスタンスでは、作り上げることが出来ないかも知れないと不安にもなり、いっそ市販品を、しかし高価であると、また堂々巡りしてしまいます。

ざっとの見込みですが、1万数千円でプリアンプが自作できれば、大勢の役に立つのではないかと。

なるべく今回の製作を大勢の方に役立てられるようにと、ホームページ形式で簡単な経緯と、実際に製作し完成していく過程を画像入りでまとめようかと考えています。

お約束できる自信はないのですが、とにかく、そのページを閲覧すると、これなら自分でもつくれるや、という気にさせ、実際につくれるようなコンテンツになればとぼんやり考えています。

誰のアドバイスも必要ない、やさしく簡潔なものにしたいです。

プリアンプを使う使わないは個人の嗜好ですが、私は絶対にあったほうが良い、というか、一度付けると外す気にはなれません。

しかしちょっと試すには市販の真空管プリアンプは高価なものが多いですし、一番敷居が低いと思われる、エレキットのTU-875にしたところで3万円近い出費です。

しかも私には組み上げることができませんでした。(片チャンネルしか)

 

想定した電源トランス

(2020.5追記)入手性の容易さとコスト面のバランスを考慮して、ゼネラルトランス(旧ノグチトランス)さんのPMC-35Eを想定しています。同社は、以前から当サイトのリンク集に部品調達先として入れさせていただいています。秋葉原・東京ラジオデパートの地下1階の店には(ノグチトランス時代)よく買い物に行きました。ゼネラルトランスに代わってから入ったことがないのですが、ECで気軽に購入できる店なのでおすすめ(宣伝費を貰っている訳ではありません)です。

ある時、パワーアンプの出力トランス(当然2個)とチョークコイルをNETで注文していたのですが、納期がしばらく先で待ちきれずに店に取りに行ったことがあります。パワーアンプのトランス3個となると、結構重くて、帰りの電車で「やっぱり配送してもらうべきだった」と盛んに後悔したことを思い出します。

 

注意点と解説

ヒーターバイアスを以前の回路図では付け忘れました。実は、最初の製作段階ではこの知識に乏しく不具合を生じました。その後調べて追加した訳です。ヒーターバイアスというのは、真空管にはB電圧とヒーター(A電圧)という異なる2系統の電源が接続されるのですが、この2つの電圧があまりかけ離れると悪さする(真空管が壊れる)ため、それを回避するテクニックです。ヒーターの片側をB電圧に接続し、双方の電位差をなくします。ただし、電流が流れないように注意します。 真空管の規格表にはカソード・ヒーター間の最大耐電圧が記載されています。これを参考に、最大耐電圧を越えないようにヒーターバイアスをかけます。詳細は、HIROちゃんさんのアンプのブログの記事「アンプ設計ミス/ヒーター・バイアス」がわかりやすいと思います。

電源部と、増幅部のアースは、それぞれまとめて、最後に15Ωの抵抗を入れています。この抵抗は普通は付けないのですが、これをすると低域が充実する傾向が出るという技術誌「MJ無線と実験」の製作記事があったので、それを導入しました。省略も可能です。

実装上の注意点ですが、回路図は実体配線図と違うので、配線図の形を真似て配線しないようにする必要があります。特に入力のRCAピン端子と真空管との配線は、増幅前のデリケートな部分なので、ノイズの混入を防ぐ必要があります。シールド線を使って、シールドにアースへの接続をさせるという手法がありますが、これをすると、広域減衰などが心配されますので、双方の線をなるべく寄り添わせて配線します。

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