300B91型モノアンプ回路図
その後の変更点
※ゲインが高すぎて、ホワイトノイズが乗るので調整しました。B電源回路のB1からB2を繋ぐ抵抗を10Kから56Kへ。
※B4からB5を繋ぐ抵抗を220Kから75K
(ここは最初から75Kにすべきでした。WEの原回路もそうなっています)に変更しました。
特徴あるNFB方式
NFBが、オーバーオールではなく、トランスの1次側というのが特徴の一つですね。これは、当時の出力トランスが、電気的性能があまりよくなくて、こうせざるを得なかったという説が有力です。そのため、昨今のアンプではあまり使われませんね。他にも一般的回路にはないWEならではの要素があります。
基本的には、有名なWE(ウエスタンエレクトリック)の91型という300Bシングルアンプのモデファイです。アレンジしすぎて、良い音が出るかどうか疑問です。モノラルで製作したので、今一つ自分でも評価しきれていません。本当は初段に310という真空管を使うのですが、当時は復刻生産が無くて高価なため変更しました。
通常は2段増幅へのアレンジ
一般的には、初段を省略して2段増幅にする作例が多いようです。しかし、季刊誌の管球王国などを読むと、3段増幅こそがオリジナルに近い音と書かれてあり、それを踏襲しました。WEは、入力がトーキーの映写機だったので、CDやイコライザアンプと違って、ゲインを高くする必要があったそうです。でも、当初は高すぎて調整しています。
注釈)アンティークオーディオの世界でもっとも有名なWEは、ホームユーザー向けのオーディオ機器ではなく、映画館に機材をリースするビジネスモデルでした。当時は、トーキー映画の黎明期で、TVもまだでしたので映画は先端産業でした。
あくまでもご参考に
このサイトでは、意外にも回路図のアクセスが多く、おそらく資料価値があるのだと思います。ですが、このアンプの場合はあまり自信がないので、製作をされる方は、定数を今一度見直してください。それと、無対策の交流点火はさすがに厳しかったです。ここはやはり直流点火をおすすめします。
こちらのアンプは、5.1chのサラウンドシステムのセンターとして使っています。センターは映画などのセリフを受け持つので、トーキーの歴史を背景としたセリフ再生に定評のあるWE(ウエスタンエレクトリック)の回路はピッタリではないかと、自己満足しています。
追 記
(2020.3追記)定年になって時間ができたので、そのうち2段増幅のオードドックな回路も試したいと思っています。しかしその場合、おおよその部品は見当がつくのですが、カップリングコンデンサーだけは音質を大きく左右するキーパーツなので、充分に吟味しないのいけません。また、新しいアンプの置き場がないという問題は、今もって解消していません。それをどうするかが先決かもしれません。
一方で、16年経過した今でも、このアンプはサラウンドのセンターでトラブルなく長期使用できています。サラウンドを聴くのは、最近ではごくたまになので、休み休み使用しているので長持ちしているのかもしれません。
91型の音質をデフォルメしたような、癖の強い音なので、これをステレオでオーディオ的に聴くのはあまり向いていないと思います。このアンプの存在価値としては、サラウンド再生を真空管アンプで行う場合、センター用にモノアンプがあると良い、という提案だと考えています。
センターチャンネルは、主に映画のセリフを受け持つちゃんなるなので、ここを伝説のトーキーシステムのWE回路で鳴らすというのは、精神的にリッチな感じがします(精神論ですいません)。
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