過去の作品集:12BH7A SRPP NON-NFB ラインプリ


 取り合えず部品を取り付けたところ、配線はこれからです


調整後に稼動中(凛々しい姿!?)
2003年1月完成作

<構 想>

今にして思えば、何でラインアンプを作ろうとしたのか不思議です。
ADVANCEの6N1Pを使用したキット(6DJ8に差換え使用中)で充分満足していたはずなのに。。
ここまで来たらキットではなく、ここも自作にしたかったというのが理由の一つ。

このホームページ開設時にページをを見て、私の作ったパワーアンプをしばらく預かって聞いてみたいという人が現れた場合に、百十番のパワーアンプはボリュームを省略しているためプリアンプが必要になります。
その場合に備えてという考えもあったような気がします。

当初パッシブ形のアッテネーターを考えたのですが、ついでにチャンネルあたり1球追加しておこうという軽い気持ちでした。
しかし、1球といえども電源回路必要だし、結局製作のエネルギーはパワーアンプとたいして変わりませんでした。
コストは、球もトランスも小型で数も少ないからこの程度ならパワーアンプよりはるかに安上がりです。
いずれにしても、楽しませてくれてありがとう。

とりあえずの完成ですので、後日改良の余地はあります。

回路ですが、例によって設計や定数計算苦手な文科系の百十番ですから、雑誌や本の回路図やネットから参考回路を探し回りました。
1球動作のフラットアンプなんて、基本中の基本であるためか、逆にそれを取り上げたものは意外と見つかりません。
皆さん、いろいろ工夫したり凝っていて当方から見たら、帯に短し・・です。

そんな中、FURUYAさんのページに手ごろな回路図があり、これに決めました。
解説を読むと、音質にこだわりと有り、ムフフです。
入手したトランスに合わせ、電源回路も適当に探してそれを基にしました。
といっても、原回路のそっくりコピーではなく、百十番オリジナルの工夫も加えています。
最後はお得意の、カットアンドトライで微調整しました。
べるけさんのボードでもアドバイスをいただきました。

画期的(自称)なのは、AC点火としたことです。
プリアンプは、ラインアンプのみでも作例として大部分DC点火です。
製作後、MJ掲載の(2000年3月号)小林悟さん発表の6N1P(カソードフォロアーで出力トランス使用)で、AC点火で成功事例があることに気がつきました。
百十番程度の者がやることは、たいてい先人が試しているのね。

ただし、部品配置は不恰好ですが、かなり自信作です。
入力から最短でセレクターに入り、最短でVRを通ってグリッドに入ります。
最短でつないでいるのでシールド線も不要です。
アースにも気を使いこれによって、AC点火でもノイズレスとなりました。

アドバンスもかなり凝っていますが、少なくとも管球プリで、ここまで最短配線したのはメーカー製でもごく一部のガレージメーカーくらいであまり例がありません。
この点だけをとれば、一流メーカー製に引けを取りません。
見た目は最低ですが。。

一部改良を施し、最終回路図はここです。(注意、問題点がページの最後をお読みください)

 

<音 質>

エージング中ですが、テストで音出しした時からかなりのものでした。
アドバンスよりもいいです。

音の力、低音の出具合、音の厚み、解像度、真空管らしい膨らみのある音と、どれをとっても良いです。
欠点は今のところ見当たりません。
AC点火なのにハムも全く気になりません。

測定器もなく、やる気もない(音が出ればいいやというナマグサもの)ので性能は不明ですが、音質はかなりのものです。
筐体も部品も小さく配線はモロ大変でしたが、ハムや雑音も全く気になりません。

ただし、自作の全てのアンプに言えることですが、(百十番の場合キットはそうでもないですが)組みあがった直後は一月くらい最高の音質と感じてしまいます。
自作は、最初やたらいい音に思え時間が経て粗がわかってくると、先人の誰もが言います。
したがって、現状での音質レポートは当てになりません。

 

<使用球>

松下製12BH7Aです。
横浜のエジソンプラザで買ったオールドストックです。
安かった。
以前ここで買った松下製12AX7はもうひとつでしたが、これはなかなかです。
12BH7Aは、テレビ球ですが、松下のテレビって性能良かったんですかね?
幼少の頃我が家にありましたが。(もちろん白黒です)
その後、この球のオリジナルであるらしいGEを香港で入手。
音の立体感が高まりました。

 

<経過報告>

経過報告をべるけさんのボードにアップしました。
以下はそのコピーです。

12BH7A SRPP は 投稿者:百十番  投稿日: 1月19日(日)13時04分56秒

更にその後の経過報告ですが、聴感上は全く問題なく良い音で、ノイズや歪はありません。
測定機材とスキルがないため、数値の報告が出来ないのは申し訳ないのですが、手持ちの全てのパワーアンプ(いつのまにか4台)でよい結果を得ました。

この12BH7Aは、テレビ用に2次歪を多く発生させるための球ですので、百十番も製作前は「こんなんでうまくいくのかなあ?」と思いつつスタートしたのですが以外でした。

例によって、文科系のビルダーによる根拠のない想像ですが
(歪について)
・適正なバイアスや供給電圧で歪が少なく抑えられた?
・パワーアンプがすべて真空管なので、そのどこかで打消しが働いた?
・SRPPで打ち消された?(これはないと思うのですが)
(聴感上の高音質について)
・交流点火で、音が力強くなった?
・この球(松下)の素性が良い?
・出口と入り口の双方で音を絞る回路が効いた?
・使用パーツや、部品配置が良かった?
・no-NFBにより、音の鮮度と迫力が失われなかった?
・念入りな電源回路が良かった?

などと勝手に考えております。

>・出口と入り口の双方で音を絞る回路が効いた?
この点に関してですが、過去の経験(アンプ自作の経験ではなく昔の放送研究会的活動の経験)からも、オーディオ機器を接続する場合、出口側の機器の音圧上げた方が力強くなると考えられます。
質の高いオーディオ機器の場合、歪率の点からはむしろ逆で、それぞれの増幅段に無理をさせない方が数値的にも有利です。
したがって、多くのアンプでは入り口近くにボリュームを設けて一旦音圧下げてから増幅となります。
しかし、耳で聞くとこれではあたりまえというか音の迫力にかけると思います。
数値と、ヒアリングの違いかもしれません。

自画自賛ですが、今回の部分部分で余計な利得を捨てていくという方式は、かのWE(ウエスタンエレクトリック)アンプの方式に通じると思います。今後WEアンプを聞く機会があれば、この点に良く気をつけてみたいと思います。

しかし、ホント怖いくらいにいい音です。

 

<その後>

機嫌よく稼動していたのですが、ある日突然不調に。。
ボゾボソノイズからはじまって、だんだんノイズが大きくなってついには音がと切れ途切れです。
これではいけません。
どこが悪いのか?とにかく調整をしてみました。
あれこれやっても直りません。

真空管関係の解説書によく「絶縁破壊」という概念があるのですが、何だか良くわからないので特に対策はしていなかったのですが、消去法で行くとどうも今回はこれが怪しいです。

似たようなアンプを同じ時期にsuzukiさんが完成させていたのを思い出して、早速インターネットでsuzukiさんの回路をチェック。

ちゃんと、対策してあります。
いわゆるヒーターバイアスと言うやつです。

手持ちの抵抗をアレンジして、ヒーターバイアスかけてみました。
結果、嘘のようにトラブルは直りました。
美音復活です、しめしめ。

やはり、基本は押さえた方が良いようです。(あたりまえ)

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