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考察と実践(PCオーディオに悪戦苦闘した記録)

(2020.3月追記)最後にこのページを更新したのが、約10年前。そのため、当時の誤解もあり、今ではデジタルオーディオに関してもかなり一般的に情報が明らかになってきました。したがって、内容的には今参考にするようなものではないのですが、当時の悪戦苦闘の記録として残しておきます。いずれ全面改訂かな?

CDのデータをHDDにリッピング

リッピングとは、吸い出すという意味でCDのデータをパソコンで吸い出します。CDプレーヤーもデータをCDから吸い出すのですが、この場合は1回勝負。1回転してそこで正確に読み取れなかったデータは飛ばします。

補正という手法で(訂正ではない)適当に類推します。つまり、通常CDプレーヤーで聞いている音は、本来の音を(古くて劣化したCDだと)飛び飛びで読んで繋いでいる音です。よく、CD-Rに焼くと音が変わるといわれますが、原因は読み取り字と焼付け時のデータの欠落です。

パソコンの場合は、データをデータとして扱いますので、CD-ROMのデータを読む場合は読み取れないデータを何度も読み直したりデータ訂正という手法で正確に読みます。まずは、音の入り口であるCDのデータを正確に読み取ることから高音質への試みは始まります。ここを高性能にするために、ハイエンドのCDプレーヤーはCDプレーヤーとしての規格(ソニーとフィリップスが決めた例の規格)内で高性能化しています。しかし、これはかなりの高コストにつながっておりユーザーの経済的負担を強いられます。

そこで、パソコンの機能を使ってなるべく正確にデータを読み取ります。各種のHPによる情報などを総合しますと、プレクスターというCD-ROM専門のメーカーはこれに力を入れていることがわかりました。なおかつ、フリーソフトの「EAC」というのは特別な機能を付加してこれを追及しています。

したがって、プレクスターとEACという組み合わせで安価に正確なデータを読み出す環境が構築できます。更に、音を再生するときにこの送り出しを安定させるために、HDDにいったんデータを貯めます。コピーコントロールCDはそれらが出来ません(方法はないことはない?)。HDDよりもRAMの方が更に良いのですがその違いは百十番の耳には検地できず仕様勝手を考えてとりあえずHDDにしています。つまり、よりモーターなどの電源変動の影響が無く読書きのスピードが速い方が良いわけです。

PCの静音化

再生時、つまり鑑賞時に通常ですとパソコンのノイズは邪魔になります。百十番は対策として、静音ファン(CPU)、静音電源などを使いましたが、今ひとつ。以前使っていた古いマシン(ベビーAT仕様)の時は覿面だったのですが。。実際の方法は、それをテーマにしたページなどがたくさんありますから、各自調べてください。

結局、現在施しているのは
1)ケーブルを延ばして、PCを別の部屋に隔離。(メーカー製のPC使用者は改造困難なので良い手かも)
2)ファンを減らすため、ビデオカードをファンレスのものに。
3)静音電源の使用。
4)ケースファンも静音仕様に。
5)安価な水冷ケースあったので導入。(DOSパラ)
という手段です。

ここはやりすぎると結構コストと時間がかかりますので各自のペースで。いつしかそれが趣味になったりもします。

USBオーディオ

この部分は未だ悩みがありまして、未完成です。PCにそのまま挿すサウンドカードではPCのノイズをもろに受けて更にPCのクリーンではない電源ですので高音質には条件が悪いと考えられます。かつてAOPENという台湾のパーツメーカーではこれにチャレンジして真空管付きPCマザーボードなる製品を出して話題を呼びました。

次の手段として、結構あちこちで語られるのは、デジタルOUT付きサウンドカードからS/PDIFのTOSリンク(光ケーブル)か同軸ケーブルでDACへという手です。しかし、この場合ケーブルの引き回しが問題で、DACはじめオーディオセットとノイズ源のPCを近づけたくはありませんし、ケーブルを長くすると相当高品位の光ケーブルでなければ音質劣化につながりそうです。

そこで、USBかFireWire(IEEE-1394)が注目されます。事実、百十番はローランドのUSBオーディオ(デジタルOUT専用)をしばらく使用しましたが、これをMDデッキのDACに繋ぐだけで高品位なケーブルで繋げば充分実用になりました。128KのMP3でもOSが安定していれば(これ大事)音楽鑑賞に堪えます。問題は、WINDOWSの規格であるAC97およびUSB機器の規格でデジタルの周波数が48Kに固定されることです。

CDは44.1Kですから(DVDや衛星放送機器などは主に48k)PCが勝手に変換してしまい問題ありです。更にAC97では、PCのソフト上のイコライザーやらアッテネーターを通るため、音質劣化があります。AC97はasioという手法でパスできるのですが、USBは更に転送速度が遅いという問題点があります。こうしたことからFireWire(IEEE-1394)かUSB2が良さそうです。

ただし、百十番はサウンドブラスターの「USB Sound BlasterR AudigyR 2 NX」を暫定的に使用しています。この機器はUSB2.0対応なのですが何故か百十番の環境ではUSB1.0でしか認識しません。それでも使っているのはDVDオーディオに対応しているから。試していませんが、asio対応のFireWire(IEEE-1394)の方がCDや音楽配信には有効ではないかと思われます。この辺りはどこの製品も未成熟で、もう少し様子を見ようと思っています。

後日USB2.0に

OSをWindows 2000からXPにアップグレードしました。この結果、「USB Sound BlasterR AudigyR 2 NX」がUSB2.0で認識されました。細かい点も改善されたので当面これで行こうと思います。

PCでの周波数変更はこの機器では避けられないので、96Khz24ビットで演算して96Kの同軸OUTでDACに入れています。ここまでくると192Khzにしたくなりますが、ほどほどの民生機ではまだあまり対応していないので、今後の進化に期待です。それにしても、デジタルの世界はまだまだ技術開発と製品化に期待が持てて恐るべしです。

更に後日ASIO導入

「USB Sound BlasterR AudigyR 2 NX」は、DVDオーディオが再生できたりと楽しめる機種ですが、asioドライバーに対応していません。これでは、WINDOWSのAC97をパスできないのでフリーソフトのASIO4allというので無理やりasio化して使っていました。しかし、これでは本当にパスできているのか不安が残ります。対応機を物色しましたが、帯に短しです。

問題点をまとめると、CDのデータを全く無加工でDACに伝えるにはという方法を探るというものです。ネットで調べると(情報少ない)先人が「バイナリ一致」という手法で実験データなどがあります。CDと全く同じ規格の16ビット44.1KHZで、CDと同じデータを伝送する必要があります。

先人の実験では、PCから出したデータをまたPCに取り込み、データを比較しています。CDプレーヤーだと「エラー補正」というのが規格上有って、読み込めなかったデータを類推して処理しますので、完全なバイナリ一致は不可能です。これが、PCとasioドライバーで可能になる訳で実験結果もその通りでした。

バルク転送も試してみた

asio対応のUSBオーディオは結構発売されているのですが、気に入ったモノが見つかるまで更に暫定策です。不思議なことに「USB Sound BlasterR AudigyR 2 NX」の下位機種の「Sound Blaster Digital Music PX・NX」がasio対応ではないにもかかわらず、オリジナルのドライバーでバイナリー一致するという情報をネットでゲット。

安いので買って試したら確かに高音質。今後は当分これで行くことにしました。
※(2020.5追記)この機種のみ設計が古いせいか、一般のUSB伝送規格ではなく、HDD接続などに使用する「バルク転送」を採用していたためという説がありました。なお、2019年になってこれに近い技術の「バルクペット転送」が開発され、大手メーカーのUSBDACでも採用されつつあります。

ジッター対策

送り出しで完璧なデータが出せれば、後の問題は「時間軸上の揺らぎ」であるジッターといわれる歪対策です。これもいろいろな対策があるようです。(この説明はテーマが深すぎてここでは詳しく触れません)

*現在、三重のジッター対策とケーブルやアクセサリー&電源対策で対応中
1)ジッター軽減機の第一通信工業「MD550」
2)べリンガーのSRC2496にてアップサンプリング(88.2K)
3)複数のジッター対策を備えた自作DAC「球ばっふぁ」に三田の高精度クロック

試行錯誤の上、このようなシステムで現在至福のリスニング環境を得ています。デジタルもDACやジッター対策で相当音が変わるので、今後も試行錯誤を楽しむ予定です。(何時になったらアンプに戻れるんだ?)
※(2020.5追記)ジッター対策など、デジタルオーディオは本当に改善する要素が多く、何をいじっても大きく変わります。そのため、現在に至っても、この改善の努力は続いています。また、当時は影響しないだろうと考えていた項目も影響があることが次々に解ってくるという繰り返しも続いています。

2012年追記

ホームページを読まれた方から、クロックの精度が高いからよいわけではなく、低ジッターになるクロックが有効なわけで「高精度」という表現はいかがなものか、と指摘を受けました。その後の研究でも仰るとおりで、ルビジウムなどは発振器の精度ではなく、周辺回路含めた部分で低ジッターに繋がっているというのが結論でした。よって「高精度クロック」は「高品位クロック」に読み替えて理解して下さい。(2012.2月)

Vraison

オーディオ誌で評判のよかった日立マクセルのPC「ヴレソン」 http://www.maxell.co.jp/jpn/consumer/vraison/index.html をダメもとで注文してみました。「マクセルと九州工業大学 ヒューマンライフIT開発センター佐藤 寧 教授の共同開発により開発された、CDやMP3の音を、SACDに迫る音質に改善する技術」ということです。

今までの私のアプローチとは違う部分もありつつ、重なる部分もあるのでものは試しです。バイオリンの高調波(倍音)が今よりも美しく再生できるか、楽しみです。

商品が届いた週末に早速テストしました。これはどういう製品かというと、CDやMP3の音楽信号をPC上のデジタルデータ領域で補正するものです。CDなら20khz、圧縮音楽なら16K以上の切り捨てられた高域を足すというのは他の技術でもあったのですが、楽器レベルまである程度解析して、高密度化するものです。私の理解では、「経験の基づいて欠落した音楽信号を想像し補正する」というちょっとうそ臭い話ですが、こういう研究をしている人はいるらしく、ぼちぼち実用レベルになってきたようです。

類似技術もありますが、イコライジング系の「作ったオーディオ」は好みではないので実験する気もないのですが、こちらは自然な音を志向しているのでトライしてみました。テストした結果ですが、よく出来ています。(目から鱗かも)クラシックやジャズでは、倍音が聴こえるか否かで臨場感や空気感が左右されます。そのため、単独では聴こえない高域をカットしたCDを嫌ってアナログ盤を聴く人が多いです。この製品を通すと、バイオリンなど弦楽器、ピアノ、シンバルなどCDでカットした倍音が聴こえるので、聴いていて音楽が楽しめます。

クラシックやジャズ、アコースティック系には良いです。思ったほど不自然ではなく、録音エンジニアが代わった程度の違いで臨場感は増します。高域以外も補正しているため、不思議なことに古いCDでマスタリングの失敗と思ったものも楽しめました。

オーディオマニア的には、大金を投じてきたジッタの低減とか、バイナリの一致とか、クリーンな電源とか、高品位デジタルケーブルとかとか、マニアライクなアプローチではなく、PCのソフト上で音質改善という手段に寂しさも感じますが。。

まとめとしては、CDやMP3がSACD程ではないですが、DVDオーディオの下の規格程度には聴こえます。技術仕様も96Kヘルツ/24Kビットですので、DVDオーディオの2番目と同じですね。うまく化粧する技術です。

ただし、これには更なる機能があり、リスナーの個人差(どこまで高域が聴こえるか、年齢とともに退化する)を更に補正できます。むしろこの機能の方が、オーディオの世界に新しい問題提起しているのではないかと思えます。結果的に私の場合は、SACDよりも臨場感のある倍音が聴こえる事体となりました。

以下は、mixiへ投稿したインプレです。

はじめまして。
今までPCでのオーディオ再生はいろいろと試行錯誤してきましたが、ダメもとで導入したVraisonには脱帽しました。

概ね他の人の評価と近く、クラシックが最も効果覿面で、ジャズやアコースティックもの、ライブものは向いていると思います。

ポップス系は悪くはないですが、すべてに良いとは判断下しかねています。
女性ボーカルは、ボーカリストが宇多田ヒカルのようなかすれ声に近く感じます。
宇多田ヒカルはブレイク時に超高域が多く含まれる声として話題になりましたね(他には美空ひばり)。
つじつまはあいますね。
ちゃんと調整すればオーディオセット(自作真空管アンプ+現代型スピーカーシステム)での再生では聴き疲れは感じません。
ヘッドホンだとわかりませんが。。
SACDとかスーパーツイーターとかの話で、オーディオマニアやオーディオ誌では「システム上、超広域の再生に力を入れると聴感上は逆に低域が向上」といわれます。

これもその通りで、低域の質の向上が感じられます。
また、私のように自作オーディオだと、超高域の補間量をシステムに合わせられる(本来はリスナーの耳の個人差用)というのは、革命的な手法と感じています。
Vraisonのすごさのひとつは、ユーザーの耳の能力に合わせて超高域を補正できる点です。
ヘッドホンとか個人で鑑賞することを前提とすれば、この機能は広告やカタログに記載されている周知の機能であります。

ところが、オーディオシステムに組み込んでスピーカーから鳴らすことを前提とすると、スピーカーやアンプの能力を補正出来ると言う事になります。私の場合、自作の真空管アンプですので、この機能で劇的に再生音の品位が高まりました。

Air Mac + DENONのAVアンプ(単体DAC使用)2008.12

プロケーブルさんという過激なオーディオ理論&ノウハウを実践するネットオーディオショップがあります。最近では大阪にリアルの店舗も構えられたようです。(近く聴きに行こうと計画中)

ベルデンのケーブルを高く評価し、プロ用オーディオ機材のコストパフォーマンスの高さに目をつけた全体的にはリーズナブルな製品ラインナップです。

もう一つの特徴として、「オーディオの鬼門」と題してピュアオーディオのメーカーの高コスト体質を全否定し、共感するマニアの実践報告を中心に皆でノウハウを発展させていくというNETならではのオープンソース的な手法を取っています。ここの理論はオープンソース的に日夜成長発展し続けていますので、悪く言うと言う事がコロコロ変わります。内容も過激なので、マニアの間に賛否両論が多いようですが、情報収集としては、実に役に立つショップであります。

ここでもSONYとフィリップスがCDの開発段階にメーカーを縛りつけた「レッドブック」やS/PDFの問題点にメスが入れられており、この点では百十番の研究と共感が持てます。

ここで新たに解ったのは、USBオーディオ(USBDAC)の問題点です。デフォルトではUSBやIEEE 1394(愛称は「FireWire」)伝送でもデフォルトはオーディオの場合、データと違って、片道通行でエラー訂正はなされないということです。これを解決する鍵もAir Macにあるようなのですが、充分解明されてないようです。

windowsでも使用できるAir Macを使用すればLANでしかもエラー訂正有で(これでもエラー訂正は無いという説もありこの辺りが難解なところ)PCから音楽ファイルの再生が可能です。AirMac以外にもLANで送る機器は以前から出ており、気にはなっていましたが、ストリーミングに対応してないので導入を見送っていました。

ケンウッドのミニコンポが何年か前にLAN対応というのを発売したときに、AVフェスタでメーカーの人に聞いたら、ストリーミングのLAN伝送は許可されていないというライセンス的な障害があるとの事でした。

今回は、Air Macなら価格も安いということで、とにかく実践して見ました。理論的にはエラー訂正有のメモリーバッファ付ですから、Air Macの中にジッターの無いレコーディングマスターファイルと同等のデーターが得られることとなります。

このマスターと同等のデータを扱うというのも製品として出回り始め、LINのとても高額なDSとか言う機器は各オーディオ誌でも絶賛されています。ネット配信を活用したオンキョーの24ビット音楽ファイルも同様の考え方です。さらに、レコードメーカーもCDの原材料を工夫して高音質CDというのを発売したりしています。

いまだにそう信じている人が大勢いますが、「デジタルは1か0の世界なので音のクオリティは全て同じ」という80年代の大いなる誤解はレコードメーカー自らの手で完全に否定されたことになります。

実践した結果ですが、百十番の環境ではまずまずでした。Air Macの内蔵DACも安物ですが悪くはありません。プロケーブル理論ではここも電源ケーブルその他で追い込むらしいです。Air MacからTos link(光デジタル)でDACというのも、なかなかではありました。

しかし、劇的な向上は最近購入したAVアンプで達成されました。

クラシックではvraisonの良さが一長という点もありますが、全体ではこの環境はすごいです。以下は掲示板からの引用(一部加筆訂正)です。

最近導入しているある方式とは、特別変わったことではなくDENONのAL24プロセッシングです。

AVアンプで聴くサラウンドやデジタル放送の音を少しよくしようとAVアンプをヤフオクでグレードアップしました。

調子に乗って、プレーヤーも同様にDENONのDVD/SACDプレーヤーを中古屋で安くゲット。映像がらみのこれらの機器は、HDMIとかブルーレイいう技術の端境期で、映像のデジタル伝送に対応していない機器は少し前の中高級機がとても安く手に入ります。

ものは考えようで、中高級映像機器には「ピュアオーディオ」機能があり、ピュアオーディオ再生時に映像回路やDSP(サラウンドとかイコライジング系の音を加工する回路)をOFFに出来ます。

普段は映像機器として使って、オーディオのときは専用機として使えばよいのです。入手したDENONのAVアンプはAL24プロセッシングプラスというALでは2世代前のDAC機能が付いていますが、パワーアンプ部は使用せず、DAC+プリアンプとして真空管ラインアンプに接続しています。石臭さは我慢する必要がありますが、想像以上の結果を得ています。

パワーアンプも映像回路も使わないので、電源に余裕ありまくりというのもメリットかもしれません。当初、このAL24プロセッシングプラスの音にはスゴイ違和感を感じたのですが、よくよく聴くとこれは生の気配が加わったもので、悪いことではありません。
DENONもこの気配を追求したと解説しています。
とにかく、AirMac Express作戦と合わせてスゴイ結果が安価に達成できました。

後日談)

1)DVDプレーヤーでは効果は限定的で、最大の効果はAirMac。
2)音の向上に一方で大きく寄与しているのはAVアンプの高性能クロックと考えられます。
映像がブルーレイ時代となりHDMIの新しいオーディオ&サラウンドの規格が導入され、再生機器のクロックの精度を上げないと折角の新規格が活かされない事が解って来たようです。今までは限られたオーディオマニアだけのノウハウだったものがここでも一般化しつつあります。

ネットワークプレーヤー + 単体DAC2009.10

LINNのDSシリーズが、マニアや評論家をあまりの音のよさで驚愕に陥れています。AirMac Expressと原理は同じですが、LINN独自の電源回路ほかオーディオ用に徹底チューニングした製品のようです。

すごく高価なのでそのまま導入とはいきませんが、AirMac Expressは発火の恐れが指摘されたりしていて、デジタルOUTもチープなので、実験的にヤフオクで超格安でGETしたバッファローのリンクシアターを導入してみました。まあ、初期のDLNAプレーヤーで、地デジに対応していないので安く入手できたのですが、映像では使用しないので問題ありません。

結果、とても良いです。

元も安価な非オーディオ機器(PCの周辺機器というカテゴリー)なので、特段音の対策はされていませんが、メリハリのある音で、解像度も高く、上のあまり対策していないAirMacExpressよりいい感じです。両方とも周辺機器という製品なので、結果的な音の良さはどれだけオーディオとしての対策をするかで決まるのでしょう。

だんだん、オーディオの本質がわかってきたような気がします。リンクシアターの方が、筐体も丈夫で送り出しも同軸のコアキシャルがついています。映像回路が音には余計なのですが、この方式の良さは使用上、テレビのモニター上で(私のようにAVと共用しているとリスニングポジションで正面に向いたまま)選曲や再生・停止の操作ができるというのがあり、これはこれで画期的に便利です。

とにかく、いじりがいがありそうなのでAirMac Expressと交代させました。

この間、DACもじんそんさんの4パラエピというのをMIXIで知り合ったゴエモンさん(当時ハノイ駐在)に製作とチューニングしてもらったらとても良い結果であったので、下のような長い経路で(部屋の配置の関係もありまして)DACまで送っています。

リンクシアター>ジッター軽減機の第一通信工業「MD550」>DENONのAVアンプ>べリンガーのSRC2496にてアップサンプリング(88.2K)>じんそんDAC

元のリンクシアターが無体策なので、「デジタル波形の品質問題」「ジッター」がそれなりにあり、少し聴き疲れを感じていました。本来は電源を改造すればよいのですが、電源ケーブル(めがねコード)をオーディオグレードのものに変えたら、相当良くなりました。デジタル回路の電源品質は今まで軽視していたのですが、アナログ以上に重要と思い知りました。デジタルはジッターもさることながら波形の良し悪しが電源に影響されて結果的に音質を大きく左右するようです。

今まで何かとわからなかったことも多いPCオーディオですが、MIXIの「PCオーディオ分科会」で知識を大いに深めることが出来ました。

ここで、理解した私なりのノウハウは次のようなものです。
★PCの性能向上もあって、送り出しのデータの欠如は問題にならないレベルになって来た(信号が一方通行のUSBであっても)。
★リッピングは、対策の採られたソフトを使用することで、これも問題にならないレベルになっている。

その後もあれこれ試行錯誤して、2011年12月時点でたどり着いたのは、こちらの国民システム構想です。

USBのDDコンバーター + 単体DAC + 専用電源 + 高精度マスタークロック + クロックジェネレーター(2010.08)

MixiのPCオーディオ分科会に参加することによって、飛躍的に知識が向上しました。特にイーディオ(http://www.aedio.co.jp/)のマスターが参加しておられ、この方はプロ、セミプロ、自作派などとも多く交流があって、いつも最新の知識を提供して下さいます。

このショップはハイエンド専門店のイメージが強かったのですが、最近は入門機材も扱っておられ、本当はマスターから買うのが良いのですが、マニアックな会話の中でe-bayでの安売り情報などまで教えていただくものですから、ついそちらで買ったりして(反省)。最近は半公開で試聴会もやられるようになりました。

ASIOドライバの使えるUSB2.0の外付けオーディオの良い物に、専用電源(自作する暇が無く、実験用安定化電源使用中)や高精度マスタークロックを入れて、単体DACといういわゆるPCトラポが完成の領域に近づきました・マスタークロックも那須のガレージショップで買った真空管クロックというのを使用して、とても良い結果を得ています。ただしこれは44.1kしか対応していないので、流行りのルヒジウムクロックもユニットだけは円高メリットを活かしてe-bayで中古を激安で購入してあります。

ASIOに加えて、windowsもVISTA以降でwasapiという音の良いドライバーが出てきました。プレイヤーソフトもこれらが使えるマニア用を使い始めると、もはやitunesなどには戻れません。暇を見て(というより自作モチベーションが低下中でして←このHPはなんていうページだっけ?)ルビジウムクロックも完成させようと思っていた矢先、とんでもないことが起こりました。

「PCオーディオfan」というムックの第2号が発売されていたのですが、ここに革命的なプレイヤーソフトが紹介されていました。これをMixiの仲間から教わって使ってみたところ、ASIOとか外部クロックとか単体DACが無くても充分ではないかという、あるいは、こちらの方がよいように思える音が出たのです。

「wave file player」というプロ向けのソフトで、和田特機さんという会社が試験的に配布しておられます。非圧縮のWAV専用で、一旦RAMに転送してから再生という他は、音の良さの秘訣は企業秘密とか。兎に角驚きです。

という訳で、現在はUSB2.0のDDコンバーターとして使っていた安価(しかし驚くほど高機能で性能も良い)E-mu0404USBからそのまま音を出しています。折角なので外部クロック入れていますし、電源は専用電源です。実にマッタリしちゃいます。

よくよく考えれば、E-mu0404USBのそもそものクロックも高精度(メーカー自称)だしDACも旭化成のとても評判の良い物なので素性は良かった(使いこなし難しい)わけです。折角なので、これを読んでくれている方に、PCオーディオfanに書いてあって、それまで私が知る限りどこにも見られなかった知識を記載しておきます。

OSの製造元のマイクロソフト(日本法人の方ですが)の話です。

何でも、PCの中をデジタル信号が通るときに、チップやデバイスごとにで演算するのですが、浮動小数点 計算の際にその処理の仕方によって少しづつ音が劣化するそうです。

今までのまとめ

1)アナログ回路同様、デジタル回路も電源が重要。外付けのリニア電源やバッテリー駆動など、なるべく低ノイズの電源が、ジッターを増やさない。
2)電源が重要なので、当然、電源ケーブル、コンセント、ヒューズ、商用AC100Vの質は重要。PCも電源が良い方が良い。
3)低ノイズ、波形の綺麗な、高精度のクロックが低ジッターに繋がる。
4)他にも低ジッターの回路や仕組みは有効な場合が多い。
5)デジタルケーブル、アナログケーブルはもちろんそれなりに良い物を。USBケーブルも短くて良いものがよいそうです。
6)「wave file player」を使うか、最低でもASIOかWASAPIで。
7)良くあるUSB1.0系のものはマニアは避けたほうがよいと思います。(USBからデジタルオーディオ信号に変換するチップや機材はとても重要)
8)ソフトはなるべく非圧縮でリッピング(高性能のソフトを使用)してから。
9)OSはwindowsなら7を推奨。出来ればOSのドライブは高速なSSDにして、CPUもそれなりに早いものにして下さい。
10)兎に角、低ジッターで低ノイズでアナログ回路に渡せればよい訳なので、USBじゃなくてもwindowsじゃなくても方法はいろいろあります。

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